NPO法人 私設北海道開拓使の会 メールマガジン
〜発刊の趣旨〜
私設北海道開拓使の会 メールマガジン 異論・暴論・創論の発刊に当たって



時計台


1. メールマガジンを発刊します! 

 私設北海道開拓使の会では、平成15年1月から会としてのメールマガジンを創刊いたしました。メールマガジンとは、小泉内閣も始めた...そう、あれです。

 私どものテーマは、ずばり北海道です。北海道の未来です。北海道をどうすればいいのか、何が必要なのか。率直な意見がどんどん出てくることを期待しています。ありきたりの正論はいりません。ユニークな異論が欲しいのです。暴論ともいえるエネルギーの爆発が求められているのです。そこから新しい命を持った北海道論が生まれてくると信じるからです。

 だれが書くのか?

 北海道を愛している人です。こちらから執筆をお願いする場合もありますが、我と思わん人はどんどん投稿して欲しいのです。どんな意見でもかまいませんが、他人の中傷、個人的な感情論はダメです。

 編集体制はどうするのか?

 この4月から当会の初代事務局長であり現理事で、また札幌駅北口の札幌バレーでインキュベート・コーディネーターとして活躍されている太田明子さんに編集長をお願いしています。また、編集委員としては、北海道を知的な意味で代表するような方々に多く集まっていただき、投稿原稿を読んで採否をチェックしていただくと同時に自らも寄稿していただきます。いま予定されている方々は次のとおりです。

 青木 由直 北海道大学教授、青木塾主宰
 五十嵐 日出夫(社)北海道開発技術センター 会長
 石黒 直文 当会理事長 北海道自然学研究所 代表取締役
 梅田 厚彦 北海道ガス梶@常務取締役
 太田 明子 インキュベート・コーディネーター、当会理事
 太田原 高昭 元北海道大学教授、農学部長
 木村 篤子 北海道新聞情報研究所研究コーディネーター
 佐々木 邦子 北海道浅井学園大学講師
 竹田津 実 獣医、動物写真家
 土橋 信男 前札幌市教育長、北星学園大学学長
 柳井 正義 北海道21世紀研究所研究員、当会理事
 吉岡 宏高 まちづくりコーディネーター 

(五十音順、2002年12月現在)
 配信部数は、当初1万部を目標とします。


2. なぜメールマガジンを作るのか

【漂流する北海道】

 20世紀の終り、私ども北海道は、ほぼ百年に亘って間違いないと信じてきた開拓、開発、拓殖といった名のついたすべての金融、行政の機関を失いました。かたちを失っただけでなくそれらを支えてきた志や魂まで、跡形もなく消してしまったのです。たしかに、それらの終焉は、その組織そのものに責任があったのでしょうし、同時にその歴史的使命が20世紀とともにに終ったからかもしれません。しかし、ひとつのステージが終わったことを認めるとしても、つぎの舞台の幕があがらない、登場すべき役者の姿が影も形も見えないのはなぜなのか。次ぎに来るのは何なのか、今われわれは何処にいるのか、どこへ行こうとしているのか、北海道は、その明確な位置も、方向も見失ったまま漂流しているように思うのです。

【人が支える北海道】

 私設北海道開拓使の会が生まれて8年になります。北海道を生き生きとした地域にしていくのは、結局人間だ。資金も土地も資源も必要でないとは言わない。しかし、そんなものがいくらあったって、それを生かして使う人がいなけりゃどうにもならない。北海道の地でがんばりたいという人間をどれだけ捉えることができるかだ。こう考えてこの組織を立ち上げて8年、NPOになって3年目。東京や大阪に住みながら将来北海道に移り住みたいと考えている仲間が、約3000人、すでに移り住んだ人が約350家族に達しました。

【北海道の財産】

 この短い歩みの中で、私どもは、北海道がとてつもない、すばらしい財産をもっていることに気づきました。それは北海道にいる人間だけが北海道を愛しているのではない。日本のいたるところに北海道が好き好きでたまらない、北海道について語り始めたら夜が明けてしまうほど愛している人がいっぱい居られるという事実です。
 しかし、これらのかたがたは、北海道が好きだからといって北海道の現状を肯定しているわけではありません。むしろ、多くの人はこの現状を痛憤し、机をたたいて怒っています。「これほど北海道がバカにされ、踏みつけにされているのになぜ北海道人は怒らないのだ」と嘆き、「北海道はこうすればいいのに、いったい何を考えているのだ、何をしているのだ」と歯ぎしりしています。

【アイデアをいかす】 

 愛はアイデアを生みます。怒りの中から、すばらしい提案が生まれます。北海道でなければ実現することのない着想があります。北海道に勇気と希望を与える創意があります。これらをきっちり取り上げ、大きな声とすることはできないか。もちろん、そのすべてが実現可能というわけではないでしょう。しかし、それをしっかり書き留め、人々に伝えていきたい。そういう思いが、北海道開拓使の会の活動の中から次第に強くなってきました。

【低俗雑誌の洪水】 

 これは、本来ジャーナリズムの仕事かも知れません。北海道には雑誌ジャーナリズムがないわけではありません。ないどころか北海道発の雑誌が書店やキヨスクに馬に食わせるほど山積みされています。しかし、誠に恥ずかしいことに、その多くは、世人の低俗な暴露趣味に迎合し、他人の足を引っ張り、人が真剣にやっていることにケチをつけ、恥部を暴露すると脅かすことによって営利を図るイエロージャーナリズムなのです。北海道の正統的なマスコミが発行している月刊誌ですら、この範疇から脱し得ないことをわれわれは恥としなければならないでしょう。北海道にとっていま必要なのは、そのようなジャーナリズムではありません。

【足を引っ張るな、手を引っ張れ】

 いまの北海道にとって必要なのは足を引っ張るのではなくて手を引っ張るジャーナリズムなのです。水に落ちた犬に石を投げることではなくて、おぼれかけている羊に手を差し伸べることなのです。メディアに接触するとき、勇気と希望が湧いてくる。北海道の将来へのすばらしいアイデアやヒントを学ぶことができる。そういったジャーナリズムが求められているのです。残念ながら、そのような意図や能力を持った雑誌は一誌もありません。  もちろん北海道が好きだからといって、1から10まで肯定し、甘やかすことを求めているのではありません。それでは北海道はダメになります。批判精神を失ってはジャーナリズムではありません。問題があれば、厳しく、叱責し、批判しなければなりません。そこに愛情があれば、いかに厳しくとも、人は反省の中から新たな力が湧いてくるものなのです。逆に、愛情のかけらもないジャーナリストから得られるものは怒りと虚しさだけなのです。

【他人に頼らず自分たちで作ろう】 

 われわれは、過去の経験から、他人に存していては、問題は決して解決しないことを知っています。そこで開拓使の会として、自ら発言するメディアを持つことを決意しました。もちろんわれわれにはお金がありませんから、立派な雑誌を持つことは無理です。そこで考えたのがメールマガジンです。最初は読む人は少ないかもしれませんし、もともと数の多いことを誇りにするつもりは全くありません。数は少なくても、北海道の現状を憂い、北海道の将来に希望をもって改革をしたいと考えている人に読んでもらいたいと思っています。

 みなさまのご支援とご協力を切にお願いいたします。


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