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私設北海道開拓使の会メールマガジン『異論・暴論・創論』Vol.15
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 「北海道に独自の交通ルールを」  
   佐藤圭樹 編集・制作会社代表

  編集後記

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               2004年2月17日

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北海道に独自の交通ルールを

佐藤圭樹(さとう・よしき)
編集・制作会社代表

 北海道といえば、交通事故による死亡者数が全国ワースト1であるこ
とがしばしば取り沙汰される。その一因として北海道民の運転マナーが
悪い、速度違反が目立つといわれるのもおきまりだ。交通事故が多いの
は確かに困りものだが、ではどうすればいいのだろうか。
 解決策への手がかりのひとつとして、私なりに思うことを、異論・
暴論の展開を歓迎してくれる(のですよね?)この場を借りて、書い
てみたい。

 北海道の道路の、クルマの流れは速い。人口密度が本州に比べて大幅
に低いうえ、北海道独自の開発予算を長年与えられてきたことによって
道路の整備状況が非常に進んでいることが、その背景にある。交通量の
圧倒的に少ない道路が、まるで東京の高速道路並み、いや明らかにそれ
以上に素晴らしく整備されていることはザラである。特に北海道東部の
広大な酪農地帯を一直線に走り抜ける道路など、ほとんどのクルマが当
たり前のように時速100km前後で駆け抜けていく。しかし十分に広い道
幅、行き交うクルマがほとんどないほど少ない交通量のために、危険な
転をしているという意識は働かない。もちろん乗用車の制限速度は、時
60kmと決まっているが、仮にこんな道で制限速度を守って走っていた
ら、トラックにさえあっさり追い越されることだろう。
 ここで感じるのは、時速60kmという制限がいかに現実的でないか、
だ。そもそもドライバーにとっての「体感スピード」とは、道路の広さ
や交通量などによって大きく変わってくるが、北海道の多くの道路にお
ける時速60kmは、明らかに不自然なまでに遅いものだと思う。少々結論
を急げば、北海道の道路の制限時速はもっと高くてもいいと思う。
 しかし交通事故死者の数が全国トップクラスである北海道では、制限
速度引き上げというアイディアは、ほとんど暴論とみられるだろ
う。とにかくスピードを出すのが諸悪の根源であるという一点で、交通
事故を減らそうというのが、現状で多勢を占める考え方だからだ。しか
しそういう単純なものではないだろう。
 まず、それぞれの道路には適正なスピードがある。道路の構造、周辺
の環境、交通量などに応じて、ドライバーが生理的に快く走れる速度
だ。この意味で、北海道の市街地を離れた道での時速60kmという制限
は、決して適切なものとは思えない。では何キロが適切かと問えば、お
そらく、多くの常識的なドライバーは時速80kmないし100kmという数字
を挙げるのではないだろうか? そして多くのドライバーが現にそれを
実行している。
 ところで諸外国では、どうか。ドイツのアウトバーンに制限速度が設
けられていないことは有名だが、これはやや極端な例だ。私自身が実際
にクルマを運転したことのあるいくつかの国の、一般的な幹線道路(自
動車専用道路とは限らない)の例では、アメリカが時速55マイル(=約
88km
)、オーストラリアとニュージーランドがともに時速100kmであ
る。そしてこれら3国の、都市部以外の道路の状況(交通量や道路の造
られ方など)は、おおむね北海道と同様といっていい。
 単純にこれらと比較しただけで、日本の(少なくとも北海道の)時速
60km
がずいぶん遅いものであることは明らかだ。ただし注目すべきは、
これら諸外国でもこうした高い制限速度がどこの道路にも認められてい
るのではないということだ。市街地に入れば時速40km程度に抑えられる
のが普通であり、合流する道路や周辺の人家が減った場所に来てはじめ
て、時速100kmの高速走行が可能になるのである。

 これらの現状を踏まえたうえで考えられる改善策として、まずは制限
速度を北海道の道路事情に見合った適切なレベルに引き上げることが第
一段階。全国一律の制限に合わせる必要はまったくない。北海道だけを
別扱いにするのは混乱のもと、といった反論がありそうだが、道路が地
続きでない北海道に「混乱」はあり得ない。そもそも制限速度とは、同
じ道路でも頻繁に変化するものだ。また速度の引き上げといっても、一
律に高速化するのではなく、市街地や郊外といった状況に見合うメリハ
リの効いた制限が必要となる。
 第二段階として、速度違反に対する適切な取締りがある。不自然
に低い制限速度を設定し、それに違反したドライバーを取り締まるとい
う現状は、警察に対する不信を増大させるばかりか、制限速度そのもの
タテマエ化を招いている。取締りのやり方を適切にするのと引き
換えに、北海道で少なからずのドライバーが装着しているレーダーの探
知機なる製品は作るのも売るのも禁止すべきだろう。

 要点を整理しよう。まず、人口密度も道路の整備状況も本州とは大き
く違う北海道では、本州と一律の交通ルールを適用することに無理があ
る。そのためには適切な北海道ルールを設け、その徹底を目指すこ
とが必要である。ひとつ覚えにスピードダウンを連呼しても、「交通安
全」の黄色い旗をあちこちに立てて景観を汚しても、根本的な解決には
まるでなっていない。
 そして国道の流れを適度に高速化することにより、造るために造
ような無駄な高速道路の建設要求を遮断する効果が見えてくること
も明かである。

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編集後記
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                  2004年2月17日

ここのところ、北海道に移住してから本当に世話になった人が
仕事やら家族の事情やらで、本州に戻ることが重なったり、連絡が
ぱったり取れなくなったりしている。
こちらも日常の忙しさにあわただしくつい連絡の機会を逸してしまい
連絡を取れずに時間を重ねてしまっている。

この10年で私もすっかり北海道に行きつけの店やなじみのコーヒーの
味ができた。
改めて北海道での暮らしの長さをと友の大切さを知る移住10年目の
冬である。

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