━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
私設北海道開拓使の会メールマガジン『異論・暴論・創論』Vol.16
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

http://www.kaitaku.gr.jp/

---------------------------------------------▼INDEX▼

 別の国の話 
  石黒直文 NPO法人私設北海道開拓使の会理事長

  編集後記

   …………………………………………………………
               2004年3月16日

   …………………………………………………………

別の国の話   

 小泉さんや竹中さん、さらに東京のマスコミの話を北の涯で聞いてい
ると、ひどい違和感に陥る。しかしよくわかった。あれは別の国の話な
のだ。
「ニホン」とはうまくつけたものだ。わが国は一本じゃない。中央と地
方、都会と田舎、大企業と中小企業、老人と若者、男と女、全く二本立
て。同じ国じゃない。日の丸も国の象徴としては、実にうまくできてい
る。真ん中だけ真っ赤な血が通っているが、周辺は真っ白、生地のまま
だ。
中央は大事だが、地方なんかどうでもいいということを見事に表わすデ
ザインだ。

 りそな銀行は二兆円の国費を投入して助けた。りそなの株主は大儲け
をし、融資先は命が助かった。他方、足利銀行は見捨て、栃木県民が血
を絞って増資に応じた七百億円は紙切れとなった。国有化された足利は
やがて身売りされる。身売り先が引き受けなかった融資先企業は「不
良」というレッテルを貼られ、地獄を見る。いったん地獄に落ちた地域
は、簡単に這い上がることができない。拓銀が破綻した北海道がいい例
だ。破綻後7年が経ち、日本列島のいくつかの地域に明るい兆しが見え
始めてきたのに、北海道の闇はいっそう暗さを増している。
りそなと足利がなぜ天国と地獄に分かれたのか。それは一方が中央の銀
行で、他方は地方だからだ。地方なんかどうなろうと中央政府の知った
ことか。

 このことは栃木の話で俺たちには関係ないと思ったら大間違い。地方
金融の少なからぬ部分が同じ運命をたどる。地元銀行が一生懸命地元の
産業と企業のために頑張れば頑張るだけ、銀行の資産内容は悪くなる。
地元には貸さない。地元は危ない、国債か外債を買う方がいいという選
択をした銀行は助かる(もっとも金利リスクを抱えるが)。竹中という
大臣は、地銀や信金はリレーションバンキングだという。しかしそんな
ことを信じて地元中心に融資を伸ばし、地元の産業を振興しようと頑張
れば、金融庁と東京の公認会計士に間違いなく見放される。
 金融だけじゃない。財政も火の付いた中央政府を助けるのに、地方の
カネに手を伸ばそうとしている。三位一体というのはコリャなんじゃ。
小泉さんが三方一両損とか三位一体とか言ったら地方も家計も、財布を
土の中にでも埋めて隠した方がいい。地方分権の推進とかいっているが
要するに「オレの財布に金がなくなったからオマエの金をオレによこ
せ」ということなのだ。今度の補助金削減と交付税の切り下げでとられ
る方はわかったが、くれるはずの財源の方は一体どうなったのだ。地方
分権は進んだのか、それとも後退したのか。

 大体、中央は「地方自治」とか「地方分権」とか口では言うが本気で
やったためしがない。地方は愚か者ばかりで、そんな所に金と権限を渡
せば大変なことになる。とくに地方交付税など一般財源の配分権さえ
しっかり握ってリャ彼等は必ず霞ヶ関に参勤し、オレ達の指導どおり言
うことを聞く。こんな便利な道具を誰が手離すものか。
 ちょっと待ってくれ。地方交付税は、もともと国が勝手に動かせる金
じゃないだろう。半世紀前に国と地方、さらに地方への配分方法をき
ちっと決めたものだ。『国は交付にあたって、地方自治の本旨を尊重
し、条件をつけたり、使途を制限しちゃならん』と地方交付税法にちゃ
んと書いてあるじゃないか。

 そんなことは知ったことか。この国の法律とは、民衆や地方を縛るも
のであって、国が行うことについては解釈次第でどうにでもなる。おお
それながらと訴え出ても、国を相手に裁判に勝つことは、駱駝が針の穴
を通るより難しい国なのだ。

 21日、小泉首相は第二師団のイラク派兵に際して旭川を訪れた。北
海道の兵士は、日露戦争の旅順攻略以来、ノモンハン、アッツ、ガダル
カナル、サイパン、沖縄等々の悲惨な戦場に派遣され、多大の犠牲を
払ってきた。北海道に来たのなら、地方をいったいどう考えているの
か、この国の首相の生の声が聞きたかった。わけのわからないフレーズ
のいいっぱなし、垂れ流しでは困る。説明責任が足りないのはイラク派
兵に限らない。

NPO法人私設北海道開拓使の会理事長)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                  2004年3月16日

2
月の寒い真只中、第21回JAPAN CUP稚内犬ぞり大会に行ってきた。
そり犬としておなじみのシベリアンハスキーのほか、足の速いアラスカ
ンハスキーや、カラフト犬、南極犬、といった珍しい犬種も勢ぞろいし
犬と人とそりが一体となってずざざざざーっと雪シブキをあげながら、
疾走していく様は犬好き雪好きな私にはタマナナイ催しであった。

このレースはあの高倉健さんとタロジロの映画「南極物語」がきっかけ
となり、道北を中心とした犬ぞり愛好家たちがはじめたお祭りだそうだ
が、例にもれずこの大会も存続が厳しく、昨年の大会をもって終了と
なるところだったそうだし、観客も決して多いとはいえなかった。

最近イケメン(?)俳優が出るアイスホッケーのドラマのおかげで、ア
イスホッケーがバラエティに取り上げられたり雑誌に載ったり、試合に
もお客さんが増えたと聞く。キムタク主演でと、贅沢は言わないが
SMAP
あたりの誰かが犬ぞりのドラマでもやってくれれば犬ぞり人気
もアップすること間違いないのだか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

WEB】 http://www.kaitaku.gr.jp/
MAIL mm@kaitaku.gr.jp
 --------------------------------------------------------
【発行】NPO法人 私設北海道開拓使の会(FAX : 011-252-0406
【編集】太田 明子

 本メールマガジン掲載記事へのご意見、編集長からの質問へのご回
答など、読者の皆さんから寄せられたメールは、事前の告知なく掲載
させていただく場合があります。匿名などのご希望があれば、明記し
てください。また、掲載を望まれない場合も、その旨、明記願います。
 メールに記載された範囲でのプライバシーの公開から生じる、いか
なる事態、また何人に対しても一切責任を負いませんのでご了承くだ
さい。
『私設北海道開拓使の会 メールマガジン「異論・暴論・創論」』の
著作権は、それぞれの執筆者に帰属します。原稿の転載等を希望され
る方は、私設北海道開拓使の会 事務局までお問い合わせください。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
利用して発行しています。
 
 解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000102356.htm から。
 講読申し込み http://www.mag2.com/m/0000102356.htm から
 バックナンバーは 
     http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000102356