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私設北海道開拓使の会メールマガジン『異論・暴論・創論』Vol.23
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  ■「激論! 年金問題と少子化問題」
    
   石黒直文(当会理事長)
    VS 紺矢寛朗(北海道厚生年金会館館長)
 
  ■ 編集後記
 
    …………………………………………………………
                2004年11月4日   
 
  激論! 年金問題と少子化問題
 
 
  年金問題の専門家の紺矢さん(北海道厚生年金会館館長)と討論
 します。石黒がまず問題提起します。
 
 わが国が当面している年金問題は、つまるところ少子化問題だろう。誰
 が考えてもわかることだが、保険料にしろ税金にしろ、払う人が少なく
 なって貰う人が多くなれば制度は成り立たない。
 
  残念ながら、わが国の少子化対策はことごとく失敗している。199
 2年以来、数次のエンゼルプランと名付けた政策を実施したが出生率の
 減少に歯止めがかかったことは一度もない。ある米国の人口学者はこう
 予言している。「一国の人口は、坂道を登る列車のようなものだ。エン
 ジンが止まってもしばらくは惰性で登る。しかし、停止した瞬間、後退
 を始め、止めようもないスピードで坂道を落下して激突する」。いま、
 わが国は間違いなく逆進点にさしかかっている。そして年金も間違いな
 く破綻への転換点を迎えている。
 
  少子化対策が失敗しているだけではない。よく知られているように
 年金の基礎となっている人口予測が、ここ30年間、ことごとく過大
 推計という間違いを犯してきた。1976年推計は1000万人過大。
 92年推計で200万人過大、そして僅か2年前に1.32と予測した
 特殊合計出生率が、実際には1.29だったことはご承知のとおりだ。
 
  なるほど世界中の先進国は、押しなべて少子化に悩んでいる。しか
 し、その中にも勝ち組と負け組がある。負け組は日本、ドイツ、イタリ
 ア、スペインの第二次世界大戦枢軸国だ。(米国も勝ち組だが、その勝
 因は移民によるところが大きい。)勝ち組はフランスとスウエーデン、
 デンマーク。そのいずれもがいったん大幅に落ち込んだ出生率の回復に
 成功した国だ。
 
  日本はなぜ勝ち組に学ばないのだ。勝ち組の勝因は、ようするに経済
 と制度について、思い切って、働く女性が子供を持ちやすいように政策
 を変えたことだ。もちろん、ヒットラーじゃあるまいし,子供を持つ
 か、持たないかは、個人とくに女性の自己選択だ。ただ、子供を持ちた
 いと願っている女性の「経済的に苦しい、女性が損だ」という障害を取
 り除き、子供を持つ方が「楽しい、得だ」いう選択肢を大きくしたの
 だ。
 
  そこで、わが国にも、次のような思い切った「ニュー・ニューエンゼ
 ルプラン」を提案したい。
 
 . 政策目標 現在110万人に落ちた年間出生数を当面150万人
   (合計特殊出生率1.8程度)20年後135万人(出生率2.1)
 
   する。
 2 政策手段
   1)出産休業補償 休業前の給与の90%を1年間、国が補償す
     る。
   2) 保育ママ制度 乳幼児保育を希望する一般家庭に対し月額
     4万円を幼児が1歳半に達するまで国が補償する。
   3)児童手当   児童が20歳に達するまで年間一人当たり50
     万円を支給する(ただし遡及しない、所得制限なし)
 . 所要国庫支出額  初年度 3.6兆円、20年度18.8兆
   円、20年間累計224兆円 
 4 財源       
   1)年金積立金運用益 111兆円(今年度末残高174.7兆
     円、利回り3.2%)
   2)本プランによる税収増  88兆円(女子労働力化率67%、平
     均消費性向60%)
   3)年金取り崩し額  25兆円20年後の繰越残高150兆円)
     20年間累計  224兆円
 .人口目標 20年後の19歳未満の人口は約1000万人増えて2
   850万人となる。
 この人口が成人に達した2050年の20〜64歳人口と65歳以
 上人口の比率は1.9対1(人口問題研究所低位推計では
 1.25対1)。 
 
  つまり、この案は過去の年金積立金を活用して子宝という人的資産を
 増やそうとするものだ。この積立金は、よく考えてみれば、わが国が多
 産国から少子国に転換することによって生みだした貯蓄と労働力の
 結果なのだ。いわば子宝を犠牲にして貯め込んだものともいえる。この
 カネを子どものために使うのはきわめてスジが通っている。いまの年金
 が足りないからといって手を付け、取り崩す現行年金財政再計算は、
 スジが違っている。
 
  もうひとつのこの狙いは、最近の流行語で言えばサプライズである。
 いままでのエンゼルプランはガダルカナルの敗戦と同じ。ちびちびと
 戦力を逐次投入して、結局、全滅の悲劇にあった。この新しいプラン
 では、子ども生んだ女性は出産前の9割の所得が補償されるのに加え
 て、年間約100万円の手当てが支給される。現在は、休暇が取れるか
 どうか怪しいし、取れても補償は4割、児童手当は月5000円の所得
 制限付き、学齢に達したら打ち切られる。子どもに本当にカネがかかる
 のは高校、大学だが、そのときは全く顧みてくれない。
 
  繰り返していうが、この政策は女性に子どもを生むことを強制するも
 のではない。そうではなくて子どもがほしいと願っている女性(とくに
 働いている女性)の障害を取り除き、子どもを育てやすい環境をつくり
 だしたいと願うものである。
 
 次回、紺矢さんにこの案のご批判をいただきたい。
 
 
  石黒直文(当会理事長)
  
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 ■ 編集後記
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                 2004年 2004年11月4日
 
  道内でも温泉成分の偽装が問題になって久しい。そう言えば、温泉に
 出かけても、まずはかけ流しか、塩素臭がしないかなど一応に確認
 してみてるのは私だけじゃないようだ。
  先日、日頃の喧騒から離れたくて、わざわざ鄙びた温泉に出かけた。
 塩素臭もなく、鳥の声や紅葉の美しさも手伝って、その柔らかいお湯に
 トロけていたところ、そこに我が家のように大声ではしゃく子供が入っ
 てきた。100まで大声で数を数え、温度が熱いとか湯船が深いとか
 騒ぎ、じろじろとこっちを見る。しかも男の子。なんで女風呂に男がい
 るのだ。男は男風呂だろー!
  正しい温泉場は、いわばオトナの社交場である。(はしゃぎたい)子
 連れ家族やグループには大変申し訳ないが、できれば、「水の大国
 ラグーン」とか「なんてったって宇宙一」とかではしゃいでいただけな
 いか。頼むから湯治的鄙びた温泉は遠慮していただきたい。
  温泉成分の偽装よりも私には大きな温泉問題である。
 
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