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私設北海道開拓使の会メールマガジン『異論・暴論・創論』Vol.32
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 「あいつが悪い」じゃ済まない
   石黒直文(当会理事長)

  編集後記

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               2006年1月6日

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「あいつが悪い」じゃ済まない
               
  石黒直文(当会理事長)


新しい年が始まった。今年はいったいどういう年になるのだろう。

 振り返ってみると、過ぎ去った年は、事故と災害の年だった。ことが
起きると一億そろって犯人探しが始まる。犯人が見つかると、よってた
かってつるし上げる。責任者が深々と頭を下げる。当面の傷口には軟膏
を塗って絆創膏をはる。そこで一件落着。みんなが、ほっと安心する。
悪いのはあいつだ。オレじゃない。

 ちょっと待ってくれ。それで本当に安心なのか。めでたしめでたしな
のか。

 今回のマンション偽装事件を考えてみよう。この世にある危険な建物
は今回の物件に限られているのだろうか。しかし、専門家はこういう。
「今回の偽装はたしかに問題です。だが、耐震基準設定以前の建物に比
べたらはるかにマシ。東京都心には、旧基準の1983年以前のいわば危な
い建物がオフィスビルだけでも一万棟以上あるのです」また、2003年の
住宅土地調査によると、全国4686万戸のうち半分の2302万戸が1985年以
前に建てられた住宅だという。

 つまり、いったん地震が来れば倒潰の危険のある建物はごろごろあ
る。いわゆる姉歯事件はそのホンの一部に過ぎない。そっちの方がずっ
と大きな問題じゃないか。

なるほど、国は阪神淡路震災以後、耐震改修促進法を制定した。だが実
際の耐震補強はほとんど進んでいない。数が多すぎて手がつけられな
い。このことは担当大臣も東京都も熟知しているはずだ。それなのに問
題を矮小化して、数棟の建物の住民だけを退去させ、建替えの資金援助
をして当面を糊塗する。そして担当大臣や知事は正義の味方を装う。

それこそが偽装であり、欺瞞じゃないか。本当に地震が来て、姉歯以外
の建物が倒潰し、数十万の犠牲者がでたとき、なんといってお詫びする
のだ。もっともそのときには担当者はずっと前に辞めているから、前任
者のせいにすればいいのか。

 よく考えてみれば、本当はもっと国としての根本的な問題がある。首
都圏に人が集まりすぎていることだ。国は、ほぼ半世紀、国土の均衡あ
る発展、地方への定住を唱えてきた。しかし、実態はその逆。今回の国
勢調査でも人口増加は、首都圏と東海道新幹線が走っている府県だけ。
他はすべて減少している。そしてそれに追い討ちをかけるように、音を
立てて、地方の切捨てが始まった。 

日本列島は地震多発地帯に位置している。過去百年間に日本列島を襲っ
たマグニチュード7以上の地震は57回。それが人口過密地帯に起きたと
き大地震になる。関東大震災の死者は14万人、阪神淡路は6400人、新潟
中越は39人。さらに言えば、東京という国の中枢神経が一点集中した部
分が破壊されれば、その被害は、日本全体が壊滅的な被害をこうむる。
その影響は全世界に及ぶ。昨年、中央防災会議は首都圏にマグニチュー
ド7クラスの直下型地震が発生した場合の被害予想を死者11000人、被
害金額を111兆円と想定した。率直に言ってこの予想でも甘すぎる。関
東大震災のマグニチュードは7.9。想定の基礎となった地震の3倍のエネ
ルギーだ。当時の東京、神奈川の人口は500万、いまは4倍の2000万人。
さらに当時と根本的に違うのは、昔にはほとんど姿を見せなかった自動
車が800万台、ガソリンなどの可燃物をどっさり積んで走り回っている
ことだ。

 東京を含む大都市の大地震は数十年という時間で考えれば必ず来る。
わかっていて何もしないのは未必の故意、重犯罪だ。それは「あいつが
悪い」「あいつの責任」じゃないか。 

石黒 直文(当会理事長)


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編集後記
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                  2006年1月6日

このところ、出張で札幌以外の北海道の町に滞在することが多く、夜は、
その町の地元民に念入りにリサーチして地元御用達のお店にいくことが
多いのだが、教えてもらった渋く年季の入った居酒屋はどこも艶があり
そしてかなり旨い!そして女将さんの
「いや〜札幌からきたのか〜い、たいへんだったねぇ〜」など方言混じり
の会話や「これ食べてみてぇ」とメニューにない肴をだしてくれたりして、
なんとも情緒満点でアゥェイ気分を満喫させてくれる。
今年は北海道庁としては「観光」「食」に力を入れるということだが、
自分が地域で経験してうれしかったことって?、という目線で考えれば、
戦略や提供する情報の内容ははそんなに難しくないように思う。
今月も何度か地域での宿泊の機会あり。冬の北海道を満喫しよう。

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