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私設北海道開拓使の会メールマガジン『異論・暴論・創論』Vol.37
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 「知る権利、知らせる義務」
   石黒 直文(当会理事長)

  編集後記

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               2006年9月3日

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知る権利、知らせる義務
                                
 
 東アジアで、いわば町内会の国々が口をそろえて「嫌だ。それだけは
止めてくれ」と、何回も申し入れているのに、断固として人の嫌がるこ
とを止めない国が二つある。ひとつはミサイルをぶっ放した北朝鮮だ
が、そのほかに、もうひとつある。その国の名前は言わない。うっかり
言うと、家に火をつけられる。

 富田メモによると昭和天皇が、最も、不快に思っておられた元凶は、
東条などの軍人ではない。二人の外交官だ。この指摘は意味深い。戦争
で勝つか負けるかは軍人の責任だが、負けるに決まっている戦争を避け
るのは外交の責任だろう。その意味で外交の責任は重い。しかし、外交
は外交官だけがやるわけじゃない。国内の空気や圧力に強く作用され
る。二人の外交官が行った1933年の国際連盟脱退も、1940年の日独伊三
国同盟も、国民が歓呼の声を上げて歓迎したものだ。ときの新聞も、そ
れを煽った。マスコミも戦争責任を免れない。だからジャーナリスト
は、国家権力と組んで情報操作を行えば、時に国をつぶすという「歴史
認識」を肝に銘じていなければならない。

マスコミの責任といえば、書いたり、喋ったりして情報操作することの
ように思われている。しかし、同時に、圧力に屈して大事なことを報道
しないことも情報操作だ。国の将来に関わることを、取材しなかった
り、発表を避けることは、国民の知る権利を奪う。報道されれば、それ
はそれなりに国民は、報道者の資質能力を含めて、評価し判断すること
ができる。報道されないことは判断のしようがない。

8
月最終号のニューズウィーク誌に「世界第二の金持ち国は世界一のけ
ちん坊」という記事が載った。これは、同月22日、ワシントンにあるグ
ローバル開発センター(CGD)が発表した今年度の開発援助ランク。
これによると上位三カ国はオランダ、デンマーク、スエーデン。ドイツ
9位、米国13位なのに対して、わが国は第21位、全先進国中最下位
だった。このランク付けの基準は、援助の総額だけではない。開発途上
国が求める貿易自由度、投資、移民、環境、安全保障、技術援助等につ
いて、先進国がいかに努力をしているかを総合的に評価してランクを決
める。
90
年代、わが国のODA金額は世界一だった。だから多くの国民は、私
を含めて途上国援助について日本はいい線をいっていると思いこんでい
た。しかし、現実はビリなのだ。世界の多くのマスコミが報道したこの
事実を、日本は、英字紙ジャパンタイムズ以外どこも報道しなかった。
どういう判断でそうなったかはしらない。しかし、他国が知っているこ
とを当の日本人だけが知らないと、日本の世論は誤った判断を持つ。ア
ジアの中で、なぜ、日本の評価が低いのかがわからない。わからないか
ら、ひねくれたナショナリズムが生まれる。

この7月、政府は、自衛隊のイラク撤収に際して、クウェートに到着第
一陣の自衛隊員に対する取材を拒否した。これに対して防衛記者会は強
く抗議した。しかし、考えて見れば、そもそも今回のイラク派兵につい
て、マスコミ側は政府のご指導に従って、現地での取材は一切行ってい
ないのじゃないか。延べ数千人の自衛隊が800日にわたって「イラク人
道復興支援活動」を行った報道は、すべて自衛隊の広報経由じゃない
か。
その政府広報によると、公共施設の復旧整備活動でのべ49万人のイラク
人雇用を創出、医療活動によって新生児死亡率が3分の1に減少、給水活
動によって53500トン、1200万人分の水を供給したと成果を誇ってい
る。

ちょっと待ってくれ。たとえば給水について、53500トンが正しいと
して、給水期間310日で割ると一日の供給量は172トン。日本人並の平均
使用日量300リットルなら570人分、人間が最低生活するのに必要な20
リットルで計算しても8600人分に過ぎない。この1200万人、つまり、あ
たかもイラクの総人口2400万人の半分に供給したような数字はどう考え
ても過大じゃないか。もし、報道機関が現地にいて取材すれば、サマー
ワなりムサンナ県のどれだけの人に、どういうルートで水が行き渡った
かがわかったはずだ。
われわれ北海道は、多くの道産子仲間の自衛隊員をイラクに送った。北
海道のコミュニティーFMは、苦労をして、隊員と家族を結ぶ番組を電
波に乗せて報道した。また、幸いなことに、戦死者はもとより、一人の
病人、けが人を出すことなく無事に隊員が北海道に帰ってきたから、わ
れわれは直接イラクでの苦労話を聞くことができる。無事に任務を果た
すために、どれほどの工夫と苦心をし、給水や公共工事の実態がどうい
うものであったか、それらについて生の声を聞くことができる。さらに
自分たちの戦ってきた現場に、全くテレビや新聞の取材がなかったこと
について淋しい思いをした心境も聞くことができる。

われわれは、第一線のジャーナリストが、真実を追究するために、時に
は命を張って努力をしていることをよく知っている。あの戦時中です
ら、国家権力に屈することなく敢然と戦った先達の歴史を知っている。
それだけに、いま、圧力に屈したり、世の風潮に流されて報道の自由が
侵されないように、心から憂い、願っている。

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編集後記
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                  2006年9月3日

札幌駅周辺の駐輪場がこの春から有料になった。この辺りの通勤通学
者、特に予備校生やワンコインで一日生活しているサラリーマンには
切実な問題だ。そもそも有料にする理由がよくわからないし、一回
100円という根拠もわからないし、効果についての報告もない。
全国でもあまり先進事例がないらしいし、他の自治体では周辺商業施設
と協力してそこで買い物をすれば無料になるなど工夫したりしているよう
だが、札幌市がなんらか策を講じてるなどは残念ながら聞こえてこない。
消費税が10%になりそうとか、レジ袋が有料になるとか、国からの税金
で息が出来なくなりそうな上に、健康保険料が全国でもかなり高額な
札幌市に住むというのは、これからは更にリスキーなのかも知れない。

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