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私設北海道開拓使の会メールマガジン『異論・暴論・創論』Vol.38
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 「高天原では、いざなぎ・いざなみが大笑い」
   石黒直文(当会理事長)

  編集後記

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               2007年1月16日

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いざなぎ景気とは
 1965年から1970年にいたる約5年間の日本の高度成長。この5
間に名目成長率は毎年17%以上、実質でも11%伸びた。米ドル表
示のGDPでは、フランス、イギリス、西ドイツをごぼう抜きにして世界
第二位の大国になった。これを世に「いざなぎ景気」と呼ぶ。

1200
万人が景気押し上げに参加
 この景気を支えた要因の第一は、この時期、高校、大学を卒業し
た団塊の若者が、一斉に都会を目指して労働市場に参入したから
である。60年代の生産年齢人口の増加は1157万人。うち首都圏の
増加は488万人。日本全体で19%の増、首都圏は、実に40%も増え
た。 賃金は5年間で2.1倍に伸び、老人がまだ少なく、同時に少子
化の恩恵を受けた家計は、その所得を3C(カラーテレビ、クーラー、
マイカー)の購入に当てる一方、個人貯蓄率も世界一の水準に高めた。

銀行貸出は5年で3倍、10年で5
 企業もハッピーな時代だった。旺盛な消費に支えられた電機、自動
車産業が世界企業へテークオフする一方、鉄鋼、石油化学の重厚長
大産業コンビナートが国の施策として各地で建設が始まった。その企
業の成長のため、若手の労働力供給に加え、資金も潤沢に供給され
た。64年の証券破綻が田中角栄大蔵大臣の果断な決定で危機を脱し
た資本市場や銀行を通ずる資金供給が急激に増大した。60年代の銀
行貸出残高は、前半の5年間で3倍、10年間では、実に5倍の伸びを示
したのである。

オリンピックと万博が未来への勇気と希望を
 もうひとつ企業にとって神風だったのは、1965年の北爆から拡大した
ベトナム戦争である。拡大する戦費を賄うために垂れ流した米国の貿
易赤字は、国際的な過剰流動性を生み、高成長にもかかわらず、日
本の外貨準備がドル不足に陥ることはなかったのだ。
 さらにこの時代、日本国民共通の目標とその達成感があった。64
の東京オリンピックと新幹線開通、70年の大阪万博そして72年の札幌
オリンピック。いずれもアジアで初めてのイベントがみごとに成功したこ
とは、敗戦国民であった日本人に大きな希望と勇気を与えた。
 これがいざなぎ景気である。

世界マラソンに落後した衰退国家へ
 さてそこで「いざなぎ越え」と称する今回の景気はどうか。なるほど
2000
年から2005年の5年間に日本の実質成長率は1.4%伸びたとい
う。しかし、この間、世界全体は3.2%という史上最高のスピードで成
長をしている。日本の成長スピードは世界の13,EUの12,近隣
のアジアの16に過ぎない。さらに言えば、ご承知のとおりの円安だ。
米ドル対比で2000年平均からユーロの39%上昇を始めとして、中国
人民元、インドルピー、豪州、カナダドル、韓国ウオンからロシアルーブ
ルまで大きく価値を高めている。その中で日本円だけは7%下落してい
る。つまり、世界で自国通貨の価値を下げている国は日本と米国だけと
いう奇妙な日米同盟を
結成しているわけだ。その結果、わが国のGDPは、2000年の4.67兆ドル
から、2005年には4%減の4.51兆ドルへ縮んでしまった。日本は、国際
マラソンで落後したランナー、空前の世界成長のなかで、置き去りを食
った老人集団国家ということになる。

成長の根源は人間だ。
 いま、「いざなぎ越え」と称して政府もマスコミも騒ぎ立てている。10年続
く黄金景気とはやし立てるマスコミまである。しかし、残念ながらこの景気
は、今見たように国際的には通用しない事実誤認の上に成り立ったお伽
噺に過ぎない。
冷静に考えてみよう。「いざなぎ」を支えた要因は今回の景気には全くない。
もしあるとすれば、たった一つ、前回はベトナム戦争、今回はイラク戦争に
よるドルの垂れ流しだけだ。最も大きな違いは、景気を支える人間の量と
質が「いざなぎ」とは反対方向に動いていることだ。「いざなぎ」で1200万人
増加した生産年齢人口は、今後10年間に1100万人減少する。人数が減る
だけではない。残念なことに若者たちが、未来に対する夢と希望を失って
いる。これだけ若者が減っているのに、ニートだけはこの5年間に400万人
増えているのがいい証拠だ。這い上がることもできずに下流社会を流れて
いる若者に「格差があるのは当然だ」と傲然と嘯かれて、どうして希望が
持てるのだ。
成長の根源は、結局、時代を支える人間の数とやる気の積で決まる。数を
増やすにはどうしたらいいのか。数が増えないなら、それを上回る若者の
やる気の元、夢と希望を膨らませない限り成長はない。誰が考えてもはっ
きりしている問題の解答の準備なしに、誤差範囲のような成長率のあてっ
こに憂き身をやつしていてもしようがあるまい
「いざなぎを越えたって?冗談じゃないよ!」高天原ではいざなぎ、いざなみ
を中心に神々が集まって大笑いしているのではないか。

石黒 直文(当会理事長)

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編集後記
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                  2007年1月16日

女性の起業家の取材で、道東地域を回ってきました。
お天気に恵まれた2日間でしたが、宿泊した大樹町の朝は超寒!
でも十勝地域の寒い日の澄んだ空気は格別で、特によく晴れた空は
 
絵の具で「空色」を塗ったような、カッキーンと音が
しそうなほどの爽快さ。まさにビューテホーワンダホー。
こういう正しい空を見られるのは十勝ならでは、かも。


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