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私設北海道開拓使の会メールマガジン『異論・暴論・創論』Vol.46
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 上田札幌市長どの
   石黒 直文(NPO法人私設北海道開拓使の会理事長)

  編集後記

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               2009年1月28日

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上田札幌市長どの

拝啓

 厳しい情勢の中、札幌市民のため、日夜ご精励のことと拝察いたし
ます。私ども夫婦は後期高齢者ですが、この地に半世紀住んで、お陰
さまで札幌のすばらしさを満喫しております。本当に感謝の日々です。
有難うございます。

 さて、早速ですが、近く私どものような高齢者に対して一人当たり
2
万円、合計4万円のお金をお上から恵んでいただけるという有り難い
お話を承りました。私どもは年金生活者で決して豊かとは申せません
が、幸いに健康で、4万円をいただかなければ暮らしに困るということ
はありません。これは札幌市に寄付いたしたいと思っています。お金
をいただくことは有り難いことですが、世間様から「さもしい奴だ」
と後ろ指を差される老人にだけはなりたくないのです。

 現在、札幌市人口は、1886000人です。今回の定額給付金によって
札幌市民が受け取る金額は、279億円になります。最近の北海道新聞情
報研究所の調査によれば、札幌周辺の人々は実に38%がこんな金は「い
らない」といっています。つまり、札幌市で言えば、70万人、100億円
以上のお金が、「自分は要らない、もっと大事なことに使って欲しい」
と叫んでいることになります。これはアンケートですから、実際にお金
を手にした場合、100億円になるかどうかはわかりません。しかし、目
的を明確にし、やり方をきちんと整えれば、札幌市民の数十億円の浄財
が生き返り、すばらしい事業に向かうチャンスが生まれると思うのです。

 私は、このお金を、これから生まれ、ここで育って札幌の未来を支え
る子どもたちのために使って欲しいのです。ご承知のとおり、一昨年の
秋、札幌で出産に迫られた母親が医療設備と人員の不足のため、7つの病
院をたらい回しされ、結局、生まれた未熟児が死亡するという痛ましい
事故がありました。札幌市はこの5年間毎年約14千人のお子さんが生ま
れています。この数字は、残念ながら人口当り出生率で見るとは全国で
一番低いのです。もし全国平均並みに生まれたとすると、さらに2千人強
の子宝が増える計算になります。もちろん、少子化の原因は、医療問題
だけではないでしょう。しかし、いま住んでいる所が、安心して子ども
が生める都市なのかは、出産を控えたお母さんにとって最も重大な選択
肢ではないでしょうか。

 数十億円で安心して出産できる都市になるのかよくわかりません。来年
度、北海道が、NICU(新生児集中治療室)や助産師外来等の周産期医療
強化のために予定している予算金額は17千万円と報じられています。そ
れから比べるとケタ違いのカネを札幌市民は「安心して子どもが生めるサ
ッポロになるために」使ってくださいといっている計算になります。ご承
知のように、周産期医療たらい回し事件は、東京を始め全国各地で起きて
います。もし、私どもの浄財が、日本中で一番安心して子どもが生める
都市、一番子どもを育てるのにいい環境の都市となるきっかけになると
すれば、市民はいっそう胸を張ってわが故郷札幌を自慢することができる
でしょう。

政府は、金持ちも景気対策のために貰ってどんどん使えといっています。
しかし、考えてみれば、新しく子どもが生まれるほど大きな景気刺激策
はありません。もし仮に、周産期医療充実の設備や雇用のために50億円
使われ、札幌で全国並みに2千人強の子どもが、従来より多くうまれたと
しましょう。50億円は100%設備や雇用の政府支出として需要を増やしま
す。同時に子どもが一人増えることは年間100万円近い消費需要を生み出
します。50億円消費してしまえば1年ポッキリの話です。だが、子どもの
数は毎年積み重なって10年目には200億円、20年間の累計では2000億円の
新規需要を生み出すのです。そしてやがて成年に達した若者が、札幌の
未来を支えてくれることになるでしょう。飛騨牛のすき焼きを食べたり、
ネクタイを買ったりするのも結構な話です。しかし、国が百年に一度の
大嵐に見舞われているときに、口元をひん曲げてまで強弁する話ではな
いように思うのです。

 寒さが続きます。どうかお体をおいといの上、札幌の未来のため
に、ますますよきお働きをなさいますよう心からお祈り申しあげます。

                            敬具


石黒 直文(NPO法人私設北海道開拓使の会理事長)

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編集後記
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                    2009年1月28日

今年は積雪量が少ない札幌。でもこの季節、雪が積もると登場して
くるのがスパイクタイヤを装備した冬仕様の自転車。
スパイクタイヤは市内の自転車屋などで手軽に手に入るので「私は
自転車乗りです」という主張が激しいバリバリの格好をして颯爽と
走ってるアクティブな冬の自転車乗りも毎年増えている模様。一方
市内では普通のタイヤを付けたママチャリで走行しているツワモノ
(命知らず)もちらほら。道路はつるつるのアイスバーンだから滑
って危ないっちゅうに。 
雪道でスパイクタイヤというのは漕ぎだすとスグに体が温まり暑い
くらいになるし、すごくいいトレーニングですよ!と某知人や
プロ自転車レーサーに勧められたんだけど、やっぱり寒いよなぁ。
でも、ちょっと、いいなぁ。
 
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【編集】太田 明子

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