NPO法人化 Q&A


1.NPO法人格を得ることについて。

Q 「社会的認知なんてしっかり活動していればついてくるんじゃないの?」
A 「もちろんそうです。」
 北海道知事にNPO法人として認められたというだけで、社会的認知を得られるわけはありません。いままでにも増して充実した活動を繰り広げていかなければ、外面は立派だけど中身はお粗末、ということになってしまいます。
 NPO法人になるということは、会の活動が年々拡大することを当然の前提として、それに対する障害−会の名前で契約ができない、自治体からの事業委託が受けられない等々−を取り除き、より一層の活動の広がりと充実に役立つものといえます。

Q 「いいことばかりじゃないんでしょ。」
A 「おっしゃるとおりです。」
 NPO法人になるためには、法律に定められた多くの条件を満たし、手続を経なければなりません。そのために入念な打ち合わせ、多くの書類の作成が必要です。また成立した後も、情報公開のために毎年一回は事業報告書や会計書類などを役所に提出するとともに、会の事務局にも備え付けなければならないなど、会を維持するための事務的な負担が増えることは間違いありません。
 しかし、これらの手続をきちんとこなしているからこそ、社会的認知も得られるわけです。多くの方々のお力を一層お借りしなければなりません。これからもご協力をお願いします。

Q 「会の活動が法律でがんじがらめにならないかな?」
A 「心配ご無用です。」
 NPO法人に関する法律(特定非営利活動促進法、以下NPO法と呼びます)の成立の仕方は他の法律とはちょっと違ったものでした。議員立法という形で成立したことに加え、国会での論議と平行して、議員と市民団体のシンポジウム・意見交換会が多く開かれ、市民団体の声を取り入れて作られた法律です。
 その結果、このNPO法には、市民団体自らが、社会的認知を受けるにはこのくらいやらなくちゃ、と考える規定は盛り込まれています。その規定を守ることがある程度の事務負担になるのも事実です。
 しかし世の中に認められようとして、かえって活動を制限するような規定は盛り込まれていない、と言って差し支えないと思います。あくまでも、自由な活動に対する障害を取り除くための法律ですので、がんじがらめになってかえって活動しづらくなった、ということは起きないでしょう。

Q 「非営利っていうけど、収入があってはいけないの?」
A 「構いませんが、いくつか制限があります。」
 たしかにNPO法人はその正式名称を「特定非営利活動法人」というように、「非営利」を掲げています。
 しかしここでの非営利とは、収入があってはいけない、ということではありません。収入を目的とした事業を行ってもいいのです。いいのですが、いくつか制限があります。
 まず、収入の使い道は、会の活動を財政的にサポートすることだけ。儲かったからと言ってみんなで山分けは出来ません。
 それから、会の活動に支障がない範囲に限られること。財政的にプラスになるからといって、会の信用を傷つけたり、将来大きな損害を与える危険のあるような事業は出来ません。


2.会の名称・活動などは変わるのか?

Q 「会の名前は変わるの?」
A 「ちょっと長くなります。」
 いままでの「私設北海道開拓使の会」という名前のあたまに、「特定非営利活動法人」という文字がくっつきます。ですから正式名称は「特定非営利活動法人私設北海道開拓使の会」になりますが、普段はいままで通り縮めて呼んで下さって結構です。

Q 「具体的な活動内容は変わるの?」
A 「変わりません(より良くしていきます)。」
 先にも申し上げたとおり、活動はいままでと同じようにおこない、盛り上げていきますのでご協力をお願いします。NPO法人化は内容の盛り上がりに対する障害を取り除く手段です。
 もっとも、活動の盛り上がりのひとつとして、いままでの「北海道に移り住みたい人達」への支援活動に加え、「来ちゃった組」がなんでも相談できたり、いっしょに北海道ライフを楽しんだりする活動も増やしていきたいと思っています。


3.いままでの会員はどうなるのか。

Q 「だれが社長なの?」
A 「社長はいません。」
 重要な事項は、会の根本規則(定款)と、社員総会という会議で定めるのが原則です。定款は憲法のようなもの、社員総会は国会のようなものと考えていただければいいでしょう。
 この他、比較的簡単なことについて臨機応変に集まって決定する理事会があります。
 以上の社員総会や理事会で決まったことを実行するのが理事です。そして理事のうち会を代表するのが理事長です。
 なお、理事の業務執行の状況を監査する役目は監事が行います。

Q 「その社員総会ってなに?」
A 「会の根本的な重要事項を決定する集まりです。」
 少なくとも年に一回は必ず開くことが義務づけられています。

Q 「誰が社員総会のメンバーなの?」
A 「NPO法上、社員と呼ばれる人です。」

Q 「いままでの開拓使の会の会員はどうなるの?」
A 「ひとまず一般会員になっていただきます。」
 開拓使の会(NPO)では、会費を払った方はひとまず一般会員という立場になりますが、これは社員総会のメンバーとしての「社員」ではありません。社員総会で議決権を行使する「社員」になるぞ、という意志表示を私設北海道開拓使の会までしていただく必要があります。

Q 「社員になるのに制限はあるの?やめるときには?」
A 「ありません。」
 NPO法は「社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと」とさだめています(NPO法第二条第二項)。
 ですから、社員になるために理事会の審査があるわけでもなく、定款になんらかの条件が定められているわけでもありません。また、社員をやめるのも全く自由です。

Q 「社員になるとなにか義務が生ずるの?」
A 「会のため議決権を行使していただきます。」
 単に社員であるというだけで、なにかの際に責任を問われたり罰を受けたりすることは、法律上はありません(理事や監事に関しては罰則規定があります)。
 しかし、社員になるということは、社員総会のメンバーとして、これからの私設北海道開拓使の会の行く末を決定する際に、一票を投ずる立場になるということです。ですから、義務や罰則以前の問題として、私設北海道開拓使の会の活動・運営に積極的に関わろうとする姿勢は求められますし、また社員になろうという方は、誰に言われるまでもなく、その姿勢をお持ちだと考えています。

Q 「一般会員と社員では年会費が違うの?」
A 「違います。」
 一般会員の年会費は3,600円ですが、社員の年会費は5,000円です(平成12年度現在)。年度途中で、社員になる場合、すでに納めていただいている一般会員としての年会費との差額1,400円をお支払いいただきます。

Q 「社員にならないと会の行事や運営に要望を出せないの?」
A 「出せます。」
 いままでと同じく、多くのご意見・ご要望をお待ちしております。根本的な事項を決めるのは社員総会ですが、そこで話し合う議案を作り出すのは、やはり多くの声です。


4.役員はどうなっているのか。

Q 「理事や監事には誰がなるの?」
A 「社員総会で選ばれた人です。」
 設立当初の理事や監事は、北海道に住む来ちゃった組、それを受け入れる北海道の企業などからなる混成部隊で、先に行われた設立総会で選任されました。今後、社員総会で新たな理事・監事を選ぶことも起きてくるでしょう。

Q 「人数制限、任期はあるの?」
A 「あります。」
 開拓使の会(NPO)の定款では、理事の人数を3名以上10名以下と定め、また監事の人数を1名以上3名以下と定めています。任期は2年です。

Q 「役員は給料をもらうの?」
A 「原則、無給です。」
 開拓使の会(NPO)の定款では、役員は原則無給と定めています。ただし常勤の役員には社員総会で決めた報酬を支給することができますが、この場合でも、支給を受けられる人数は総役員数の三分の一以下です。

Q 「理事になりたいんだけど。」
A 「がんばって下さい。」
 理事は社員総会で選出されますので、そこで賛成を得られれば理事になります。


5.財産関係はどうなっているのか。

Q 「財産管理はきちんとしているのか?」
A 「きちんとしています。」
 今後皆さんにお支払いいただく会費、会の事業による収入などからなる会の財産は、いままでにもましてきちんと管理します。
 通常の会社と同様、社員総会で年度ごとに予算を作り、予算案に従って事業を行っていき、その際のお金の動きは正規の簿記により記帳・管理します。年に一回、貸借対照表などの書類を事務所に備え置き、また北海道庁にも提出します。

Q 「もし開拓使の会(NPO)が解散するとしたら、財産は会員に払い戻されるのか?」
A 「払い戻されません。」
 前にも述べたとおり、NPO法人とは、普通の会社と異なり、集めたお金で利益を上げそれを出資者に配分するためのものではありません。
 したがって解散したときといえども、残った財産を会員に払い戻すという配当に等しいことを行うわけにはいきません。そこでNPO法は、解散したときに残っている財産については他のNPO団体または公的な性格を持つ団体に譲渡するべし、と定め、儲け第一主義のNPO法人がでてくることを防いでいます。
 開拓使の会(NPO)では定款により、解散するときは、同じまたは類似の目的を持 つ他のNPOまたは財団法人を探してそこに残余財産を譲渡する、としています。