新年ご挨拶

 皆様、明けましておめでとうございます。と恒例のご挨拶を申し上げましたが、世界中がコロナ騒ぎで、お住まいやお仕事によっては大変な被害を受けられた方もおられると拝察します。心からお見舞い申し上げるとともに、1日も早くこの国難が終息して平穏な日々が戻ることを願うばかりです。

 コロナのおかげで、昨年の大半を、いわば閉門蟄居の生活を強いられました。江戸時代、この武士に対する刑罰は、死罪,遠島についで重い宣告であったといわれていますが、要するに人と会うことを禁止されるのは辛いものですねえ。

 しかし、このことによって学んだものもあります。わが開拓使の会でも、理事会その他集会の多くが、オン、オフいずれでも参加できるようになりました。その結果、参加者の数がぐんと増えたように思います。また、従来、当会の広報手段は「かわら版」という紙媒体一本でした。いま私どもでも、新しい広報手段に中村副理事長が中心になって動画配信のシステムを立ち上げています。やがて間もなく、量的にも、質的にも会員を含む幅広い層とのコミュニケーションの輪が広がるものと確信しています。

 しかし、すべてがオンラインに代わるというわけではありません。あのジャレド・ダイアモンド博士は、フェースブックやSNSの普及で「友達」の数は指数関数的に増えたが、血の通った「友達」は逆に減ったのではないかと指摘しています。米国では、教会、政党、PTA,ロータリーといった米国の伝統的な集いが明らかに精気を失いつつあるというのです。日本でも、コロナ以後面白い現象が起きています。総務省の統計によれば、2020年7月以降、戦後初めて東京都区部への転入人口より転出人口の方が多いという「社会減」が始まっています。会社や大学に毎日行く必要はない、オンラインで結構ということになると、コストが高く、危険も多いあの東京にもう住む必要はない。むしろ、適当な規模の地方都市に住みたい。そこで家族と時間を共有する機会を持ち、コミュニティのなかで真の友人を見出す人生を送りたいと考え始めているのではないでしょうか。

 コロナが終わってみないと本当のところはわかりません。いま、時代が明らかに変わりつつある予感をひしひしと感じます。英語のクライシスと違って漢字の「危機」は、危険=リスクと機会=チャンスの両方の意味を含みます。

 新しい年が皆様にとってリスクを克服し、発展の絶好のチャンスであることを心から念じて新年のご挨拶といたします。
令和3年 元旦

NPO法人 私設 北海道開拓使の会 理事長 石黒直文