'98大阪集会のレポート
 6月20日午前11時、大阪集会実行委員が大阪は京橋に集合した。「♪京橋は、エエとこだっせぇ〜」で関西人にはおなじみの、あの京橋だ。なぜか東京集会実行委員の大久保さんまで集合しているではないか!既に3度に及ぶ綿密な「打ち合わせ」を済ませており、準備は万端のはず。しかし、本日の司会者である星名さん(なぜかスーツ姿)は、緊張のあまり既に顔から表情が消え、社会人のまともな会話ができなくなっている。そういえば星名さんは、直前の宴会や「打ち合わせ」でも酒が進まず、魂が抜けたように無口であったなぁ。

 13時40分に開会し、大阪集会第1部がスタート。星名さんから今回の趣旨が説明された。札幌からお越しの事務局の方々(今回はゲストと呼んでいる)から情報を提供してもらうだけではなく、会員同士の情報交換をメインとする集会で、2部構成となっているのだ。参加者は42名(筆者調べ)。縁起のいい数字だ。

 まずは恒例の自己紹介が始まった。遠くは山口や広島から来た人、歩いて来た近所の人、子供連れの人、独身の人、まず退職してから実際に北海道へ仕事を探しに行って来た人、退職を願い出たが「年賀状の配達が終わるまで…」と引き留められたあげくに「春は郵便が多い…、株主総会のシーズンが…」と未だに退職させてもらえない郵便局勤務の人、転勤希望の人、既に移住した人、移住するつもりのない旅行の達人、集会4回目という大阪のヌシ、前日に入会したばかりの人、申し込みもできず突然来た人、接待ゴルフで突然集会に来られなくなっ人、…。今回も参加者は非常にバラエティーに富んでおり、初参加の人が多い。「仕事が見つかればすぐにでも移住したい。今日は仲間をつくって意見交換したい」というのが参加者の平均像のようだ。

 自己紹介に続いて、ゲストのスピーチ。代表世話人の石黒さんからは、「企業頼みではなく、会員自身が開拓使の会を支えていく必要があること」、「北海道経済は大変厳しい状況だが、AIR DOやYOSAKOIソーランなど明るい話題でも盛り上がっていること」などのお話があった。柳井さんは札幌から持参された大量の資料を参加者に配布し、住まいる・北海道に関するアンケート調査結果について詳細に解説された。太田さんは会員から寄せられた質問に丁寧に回答してくださった。いずれも内容が濃く、しかも切り口の異なるお話であり、参加者はトイレへ行きたいのも我慢して真剣に聞き入っていた。

 第2部は小グループでのディスカッション。A(仕事の具体的な相談をしたい)、B(移住準備中の人同士で情報交換したい)、C(移住の予定は当分ないが、今日は仲間を見つけたい)の3グループに分かれて進められた。当日の話題をご紹介しよう。

[参加者の情報入手方法]

・朝日新聞か毎日新聞の販売店に直接申し込めば、北海道新聞を購読できる
・道内版の求人情報誌(クルー、デューダなど)や住宅情報誌は、定期購読できる
・地元のハローワーク(職安)でも北海道の求人情報を入手できる
・インターネットの検索ページ(Infoseekなど)に「北海道」、「求人」、「移住」など適当なキーワードを入力して検索するとよい
・大阪駅前第1ビルの北海道大阪事務所に求人、観光情報がある
・大阪天保山のマーケットプレイスに移住情報がある
・北海道で信頼できる友人を探せば、情報を入手できるこのほか「かわらばんリニューアル準備号(97年8月)」に関連情報が掲載されている。

[参加者の[参加者の意見]

・「技術がない、経験がない、営業はいやだ!…」という人に仕事はない
・紹介される仕事に対して踏ん切りがつかない
・長男、長女の場合、親のことが心配だ
・北海道移住は人生の全てではなく、One of themである(長期的に考えている)。
・どうしても移住しなければならないと自分を追いつめる必要はない
・北海道では今までと違う生活をしたいので、できれば違う職業に就きたい
・サラリーマン的な生活をするのではなく、独立したい

[先輩移住者のお話]

・転職に際して「引き継ぎ」業務のために、札幌−大阪を2往復半もした
・引越しして一人暮らしを始めるのに約30万円かかった
・北海道の人は性格的にやや「率直すぎる」、「商売下手」であるように思われた

[ゲストの意見]

・仕事を見つけたいなら、自分の技術、経験、やりたい仕事内容を具体的にアピールすること(恋人を見つけるのと似ている!)
・農業関係の就職を紹介しても、数ヶ月で辞めてしまう人が少なくない
・内地の人は面接にたどりつくだけでも大変だが、先に引っ越したからといってタイミングよく仕事が見つかるものでもない
・札幌でのパートの時給は600円程度だ
・札幌は皆さんが思うほど都会ではない
・単に「夫の夢をかなえてあげたい」というだけで妻が移住について行っても、収入減などで夫婦喧嘩になることがある
・北海道経済は「官」主導の経済体質のため、公共事業費が削減されている昨今は非常に厳しい状況だ
・製造業の進出は地理的にコスト高となり難しい。そのために北海道の産業としては「食料」、「観光」に頼らざるを得ない
・厳しい話をしたが、「それでも移住したい」と思うなら、きっと移住は成功するでしょう

 第2部ではしゃべり足りない人(ゲスト1名を含む)もいたであろうが、17時までに無事閉会し、懇親会々場の居酒屋へ。この時点でゲストを含めて35人。北海道への熱い思いを語り合う人が多かったが、一方では座敷の地べたに輪を作り、地酒を飲み比べする怪しいグループが出現した。19時半からの2次会にも25人が参加したが、おしゃれな店だったためか、怪しいグループは消滅した模様。3次会、4次会へと進むにしたがって例年どおり手の付けられない酔っ払い集団(ゲスト1名を含む)へと化すことが危惧された。

 ところが幸運にも、この日はサッカー・ワールドカップの対クロアチア戦が21時半にキックオフ。我々も大型テレビ前の地べたに座り込んでウーロン茶片手に観戦することに…。柳井さんが食い入るようにテレビを見つめ、誰も寄せ付けないオーラを背中から発していたのがサッカーよりも印象的であった。敗戦ですっかり酔いもさめ、皆さん無事に家までたどり着いたようである。

 以上で蒸し暑い大阪からの報告を終わるが、次回は「夏の北海道旅行ご自慢大阪大会」兼「秋の移住者・酒と涙の大阪送別会」でも開催したいなぁ(筆者の勝手な希望なのだ)。
 (大阪集会実行委員・岩永光正さん)    

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